ドイツのECMプロダクションからのリリース。スリップ・ケース付で、ここではそのスリップ・ケースを載せた。ジューン・テイバーはウォリックシャー州ウォリック出身のトラッド・シンガーで、マディ・プライア(ex.スティーライ・スパン)とのデュオ・ユニットのシリー・シスターズや、オイスター・バンドでの活動でも知られていると思うが、いわゆるリバイバリストとしてオーセンティックなアレンジの他、時にはジャズのエッセンスを取り入れたりもしながら、現在もソロで活動する孤高の存在。イアン・バラミーはサリー州ギルドフォード出身のサックス奏者で、ビル・ブルーフォードズ・アースワークスやジャンゴ・ベイツでの活動で知られていると思う。ヒュー・ウォーレンはウェールスのスワンシー出身のピアニストで、ジャズ畑での活動の他、ジューンのアレンジャーとして長きに渡って共演している。本作は、13年にクエルクス名義でリリースされたファースト・アルバムで、13年のリリースだが録音は06年。メンバーは、前述のジューン、バラミー、ウォーレンのトリオ編成、マンフレート・アイヒャー、バラミー、ウォーレンの共同プロデュース。概ね、トラッド+ECMジャズ的様相のサウンドを展開していて、トラッドのシンギングとキース・ジャレット的なピアノ、スピリチュアル・ジャズ調のサックスが、絶妙に面白いマッチングを見せる。ウォーレンが音楽監督的存在だった、90年代後半から00年代にかけてのジューンの作品群を、よりストレートにジャズ寄りにしたような感じともいえるが、表情の豊かさと抑えた抑揚が同居するジューンのボーカルは非常に上等で、まぎれもないECM的なサウンドの中で見事な存在感を放つ。このくぐもり感はジューンそのものという印象で、ともかくも透明感十分の美しい好盤と思う。えらい心地好し!。
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輸入盤
(Trad&Folk/British&Scotish Trad,Jazz / Jewel-case CD(2013) / ECM/German)
June Tabor(vo)
Iain Ballamy(sax)
Huw Warren(p)
Produced by Manfred Eicher, Iain Ballamy & Huw Warren
収録曲目
01.Lassie Lie Near Me
02.Come Away Death
03.As I Roved Out
04.The Lads In Their Hundreds
05.Teares
06.Near But Far Away
07.Brigg Fair
08.Who Wants The Evening Rose
09.This Is Always
10.A Tale From History (The Shooting)
11.All I Ask Of You